◆ジーンズ穿き込み指南(初級編)
ジーンズの醍醐味であるエイジング(色落ち・経年変化)。
ここでは、ジーンズを綺麗に色落ちさせるための初歩的な知識をご紹介します。
ジーンズって洗わない方が長持ちするって本当?
「ジーンズを洗う回数が多いと生地が痩せてペラペラになる。」といった話しを耳にしますが、これは全くの迷信です。
ジーンズは洗わずに穿き続けると、着用による汗や皮脂、外部的な汚れなどからバクテリア(細菌)が繁殖します。
洗っていないジーンズの不快な匂いもこのバクテリアが原因です。
(ユーズド加工などで「バイオストーンウォッシュ」とか呼ばれる手法はこのバクテリアをワザと投入したりします。)
そのまま放っておくと、このバクテリアがどんどん増殖し、生地の繊維を食べてしまうので生地が傷み、引っ張ると「ビリッ」と破れてしまうなど、耐久性も弱くなってしまうのです。
「匂いがでてくる=菌が繁殖している」というイメージで良いかと思います。
洗濯をすることで、このバクテリアを除菌し、同時に着用によって緩くなってきた繊維が引き締まり、生地にコシとハリが戻ります。もちろん着用による擦れなどが一番劣化の原因ではありますが、ジーンズを長年穿き続けるなら「穿き込んでは適度に洗濯」これが一番ですね。^^
洗濯しない方が色落ちが綺麗?
ジーンズファンの間では「ジーンズは洗わない方が良い」とされているようです。
でも、どんなに良い色落ちをするとしても、全く洗濯せずにずっと穿き続けるなんて、なんか不潔なイメージですよね。
言わせていただくと、「洗わなければ良い色になる」というのは間違いです。
ある有名なデニムメーカーの社長がインタビューしていた記事を思い出します。
それは、「デニムは洗濯しようがしまいが、良い生地は良い色落ちをするものです。」
といった内容のものでした。
僕も全く同意見です。
特に「セルビッチデニム」は生地自体のポテンシャルが高いので、洗濯頻度に関係なく基本的に良い色落ちをします。
※セルビッチデニムについての詳しい説明はコチラから
「良い生地は丈夫で穿き込むことができる⇒色落ちも進む⇒良い表情になる」
といった感じで、とにかく穿き込むと良い色になるのがデニム生地の良いところ。
たまに○○○○なんかのジーンズでも、一瞬「おっ?」と思うような綺麗な色落ちをしている人も見かけます。
ちなみに写真は、ノンウォッシュの状態から、2週間に1回程度洗濯を繰り返し、1年ほど穿き続けたものです。染料の種類や糸の染め方によって色落ちは様々ですが、良いデニム生地は1年も穿けばそれなりのムードを醸し出してきます。
だからみなさん、恐れずにガンガン穿いて、ガンガン洗っていいと思います。
ノンウォッシュ
Libertad Raw Collection
"Jimbabwe"
15ヶ月着用
Libertad Raw Collection
(Jimbabwe)
ジーンズの洗濯方法【初回・糊落としバージョン】
こちらノンウォッシュのジーンズについている「糊」を落としてから穿き込む方の為の洗濯方法です。
この「糊」を完全に落としてから穿くことで、
・ジーンズを柔らかくする
・ジーンズを全体的に完全に縮める
・糊残りによる色ムラ、縮みムラを無くす
というメリットがあります。
ジーンズの穿き方の基本は「シュリンク(縮めて)&フィット(伸ばす)」。
縮んで少しきつい目くらいから、穿いて自分の身体に馴染ませる、を繰り返すことです。
それでは、【糊落としバージョン】をご紹介しましょう。
1.お風呂にお湯をはる。(50℃~60℃くらい)
ヤケドに注意して下さい。熱湯にすることで、糊が溶けて落ちやすくなります。
熱湯にする理由は、糊を溶かして落としやすくするのと、インディゴ染料が低温では移染しやすいからです。
2.ジーンズを裏返して、熱湯に30分以上浸け込む。
熱湯に浸けて放置すると、お湯が黄色、または緑っぽく変色してきます。
これは染料ではなく、糊の色がほとんどなので、「インディゴが落ちた!!」なんて大騒ぎしなくて大丈夫です。
3.風呂の中で手洗い
熱湯ですが、30分も放置すれば良い温度になっています。
ここで一度新しいお湯(40℃くらい)に入れ替えて、じゃぶじゃぶ手洗いをします。
ゴシゴシ洗わずに、お湯を通すように洗います。
4.すすぎ洗い
すすぎ洗いをします。このときもできれば温水が良いですね。
綺麗に糊を洗い流す感じで、僕はシャワーを使ってきれいに流したりします。
5.脱水、陰干し
すすぎ洗いをした後に、しっかりと脱水してください。
まず、濡れた状態のジーンズのシワを丁寧に伸ばし、生地を伸ばして折りたたむようにして力をかけ、脱水します。
★洗濯機で脱水する場合は、ジーンズのシワを綺麗に伸ばし、裏返した状態できれいにたたんでネットに入れてから脱水しましょう。
脱水後、ジーンズを裏返したまま陰干しをします。
ここでもしっかりとシワを伸ばすように心がけます。
(シワがある状態で乾燥してしまうと、変な癖がついてしまいます。)
陰干しをするのは、天日干しをすると日焼けや染料が変色することがあると言いますが、真夏の太陽の直射日光で無い限りは対して変わりません。逆にたまには天日で殺菌しましょう。
とにかく、干す前に必ず「シワを伸ばす」ことを忘れないで下さい。
※ジーンズを思い切り縮ませたい人は、コインランドリーなどで乾燥機に投入すればかなり縮みますが、初回はシワになりやすいのであまりオススメしません。
また、ドライクリーニングを利用するという人もいますが、こちらもオススメしません。クリーニング店によっても大きな違いがあります。仕上がりにクレームを言っても元には戻りませんし、クリーニング店もとても迷惑なので、自己責任で利用しましょう。
以上が、初回のジーンズの洗い方【糊落としバージョン】です。
ジーンズ穿き込み指南【漢気編】
ジーンズの穿き方は人それぞれですが、「極上の色落ちを目指したい」という方へこだわりの穿き込み方法をご紹介しましょう。
この方法は、インディゴの濃淡がよりはっきりと現れ、そのコントラストを楽しみたい方にオススメです。
1.ノンウォッシュの状態から、ジーンズを洗わずに穿き続ける(推奨6ヶ月以上)
穿き続けるうちに少しずつ柔らかくなり、シワの寄る部分や擦れの強い部分には次第に色落ちが出てきます。糊のついた固いノンウォッシュの状態で穿き続けるほど、ハッキリとした穿き皺が付いてきます。
もちろん、洗濯をしなければ匂いも出てくるかもしれません。気になる方は天気の良い日に裏返しにして、天日干しをして除菌しましょう。
2.洗濯(中性洗剤使用)
しっかりと穿きシワに色落ちが確認できるくらいジーンズを穿き込んだら、ここでやっと洗濯です。
ジーンズを裏返しにして、手洗いにてお湯洗い、又は「中性洗剤」か「薄めた石鹸水」でしっかりと洗いましょう。
冷水で洗うと色落ちしたインディゴが移染することがあります。
(※界面活性剤が多く含まれる洗剤は使わないように。)
お湯がとんでもない色になりますが、怖がらないで下さい。すすぎ洗いを繰り返し、今までの汚れを一気に落としましょう。(AMAZON等で「ジーンズ用洗剤」も販売されています。)
色落ちはジーンズに対する「愛情」と比例します。
愛情を与えれば与えるほどに、素晴らしい色落ちに育ちます。
3.脱水、陰干し
「パン、パン!」と生地を両手で横に引っ張るようにして、シワを綺麗に伸ばしてから、裏返しにして陰干しをして下さい。
以降は好みのタイミングで問題ありませんが、できる限り着用時間を増やして色落ちを楽しみましょう!
(匂うかな?と思ったら洗う。をオススメします。)
以上、本気で良い色落ちを求める場合は、ジーンズに対しての「愛情」が不可欠です。
ジーンズを穿いて家に帰り、脱いだジーンズを眺めているあなた、それは「愛情」です。
そんなあなたに育てられたジーンズは必ず良い表情になってくることでしょう。
最後に
正直なところ、ジーンズの色落ちは最初の洗濯をするまでにどれだけ穿き込むか、そして最終的には生地のポテンシャルによるところがかなり大きいです。
本当に素晴らしい表情を求めるのであれば、「セルビッチデニム」を使われているジーンズであることは必須でしょう。間違ってもそこらで安価に手に入るジーンズを本気で育てようなんて思わない方がいいです。ジーンズを育てるのは時間がかかります。どうせ同じ時間をかけて育てるのであれば、良いものを選ぶことをオススメします。
Libertadのノンウォッシュジーンズは、色落ちのポテンシャルを考え、しっかりとした14oz前後のセルビッチデニムを厳選して使用しているので、ある程度適当に穿いていてもそれなりの色落ちになります。
Libertadでは、定番として様々な特性を持つ生地をご用意していますので、ご希望の色落ちのイメージに合わせたジーンズをお選びいただけます。
もしジーンズの購入をご検討の際は、是非一度当店にご相談ください。^^