ジーンズを作るということ
僕にとって、「ジーンズを作る」という事は趣味でもなければ、ただのビジネスでもありません。
「ジーンズを作って売る」ということは、僕の「誇り」であり「ライフスタイル」です。
ただ単に、長い間続けてきたからという単純な理由でそう言っているワケではありません。
僕は「ジーンズを作りたい」と思い立ってからというもの、十数年の間、たくさんの人に迷惑をかけて、たくさんの失敗をしてきました。
お世話になった方々にも恩返しするどころか、いまだご迷惑とご心配ばかりおかけしている僕ですが、誰に何を言われようと、一つだけ誇れることがあります。
それは...このLibertadをスタートして、お客様から今まで「一度もクレームが無い」ということ。
WEBサイトでも【お客様の声】に一部ご紹介させていただいていますが、ノークレームどころか、お会いしたこともない地方のお客様からご感想と喜びのメッセージをいただけるんです。
この素晴らしい仕事が、僕にとって「ジーンズを作る」ということなんです。
もし僕が売っているジーンズが他の人の作ったものであったり、僕が作るジーンズであっても他の人が売っていたら...多分今みたいな幸せは感じていないだろうと思うんです。
だから今こうしてLibertadでやっている、「作り手からお客様へ」ということは、僕ができる最高の仕事だと信じています。
今は世の中に物が溢れて、何が良くて何が良くないかということが分かりにくくなってきているように思います。
だから僕は、「売れそうな物を作る」のではなく、「良い物を作って、その価値を伝えて、売る」ということをしていきたいんです。
「今はこれが流行っているから」とか、「こうじゃないと売れない」みたいなこと考えて作ったもので、本当にお客様は満足するのか?
僕は長年アパレル業界でその答えを追い続けてきましたが、そういった考え方にはどうしても共感することができず、そこには「ユーザーの本当の満足は無い」と考えています。
もう何年も前のこと。
これは僕の恩師である、今は亡き縫製工場の会長からいただいた言葉です。
「自分で作って、自分で売れ。」
どういう意味なのか当時の僕には理解できませんでしたが、今になってやっとその意味がわかってきたような気がします。
それは「自分が良いと思えるジーンズを作る」、そして「自分が求めるようなサービスで売る」ということ。
そしてもう一つは、尊敬する岡山の兄貴が悩んでいる僕にかけてくれた言葉。
「自分が本当に良いと思える物を作ったらいいじゃないか。自分が納得できないものを作って上手くいかなかったら後悔するだろう?自分が良いと思う物を作って、上手くいかない時はそれで納得できるじゃないか。だったら自分が作りたい物を作ればいい。」
(そういえばジム・キャリーも同じようなこと言ってたような...)
「自分が納得する」ということ。
信じる物を貫き通すこと。
どんなことがあっても、やり抜くこと。
そうすれば物事は必ず前に進み、結果はついてくるのだと。
でもそれは本当に難しくって、自分の力だけではできないことが多いように思います。
僕も今まで何度も諦めかけました。
でも、その度に誰かに助けられ、救われてきました。数えきれないくらい。
だからこそ、「ジーンズを作るということ」は僕という人間の「人生そのもの」なんです。
お客さんが製品に満足してくれるとメチャクチャ嬉しい。
お客さんが気に入ってくれて喜んでくれることが、僕にとって一番幸せなこと。
だからもっともっとたくさんの人に喜んでもらえるような、そんな製品とサービスをお届できるように、少しずつでも前に進んでいきたいと思います。
いつか、世界中で僕の作るジーンズを愛用してくれる方が増えることを願って...。
それではみなさん、チャオ!

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